暗黒となった時代は10年にもおよび、世間からスター・ウォーズの存在さえも忘れ去られようとしていましたが、マクファーレン・トイズ社を主力に世界的にフィギュアがブームになった1995年、ハズブロー社は突如としてスター・ウォーズのフィギュアを新たに発売します。折からのブームでフィギュアが広く市民権を得た中、1997年、スター・ウォーズ生誕20周年を記念してルーカス・フィルムは『新たなる希望』『帝国の逆襲』『ジェダイの復讐』の3作を「特別篇」として公開。映画と同様、生まれ変わったスター・ウォーズ・フィギュアも再び脚光を浴び、世代を越えた新たなファンを生んだのです。
「特別篇」の公開で世界中が沸き上がる中、新3部作の制作も発表されハズブロー社は玩具化権を引き続き獲得し、1998年『エピソード1・ファントム・メナス』の公開に先がけ先行フィギュアを発売します。この「先行フィギュア」という企業戦略は、意外な副産物をも生み出す事になりました。映画公開と同時に発売される関連商品の性質上、企画や生産は早い段階で行われる為、フィギュアの生産ラインから漏れるリーク情報は早耳なファンにとって、登場キャラクターやストーリーの予想をする恰好の材料となったのです。また、フィギュア・コレクションという趣味のジャンルが確立された結果、スター・ウォーズ自体は知らないけれどフィギュアは好きというコレクターを生む珍現象まで起きたのです。
日本でもエピソード1関連のフィギュアは劇場公開より1ヶ月も早く先行発売され、これまでに例のない盛り上がりになりました。発売日には人気キャラクターのフィギュアは即日完売になるという状態が続いたことは記憶に新しいと思います。現在ではスター・ウォーズのアクション・フィギュアはスクリーンやビデオとはまた違った形で一つの文化を形成しています。親子で遊んだり、コレクションしたりと様々な魅力でファンを虜にしるフィギュアは、スター・ウォーズをいつも間近に感じさせるアイテムとして今後も愛されることでしょう。
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