STAR WARS - EPISODE I: THE PHANTOM MENACE
【第1話 ファントム・メナス】(1999年公開)

『ジェダイの復讐』から10年以上経過した1996年、ルーカスはスター・ウォーズの製作を再開すると発表しました。『ジュラシック・パーク』などに代表されるCGの進歩がルーカスが望んだ世界観を描くことを可能にしたからです。1999年公開。シリーズ4作目にして、スター・ウォーズ・サーガの第1話になります。旧3部作と異なり、新3部作ではルークの親たちの時代が舞台となり、これまで描かれることがなかった都市や文化等がCGを存分に駆使した映像によって映像化されました。

舞台は、1977年公開のシリーズ1作目『スター・ウォーズ』の32年前の世界。後に銀河の命運を分けることになるジェダイ騎士、アナキン・スカイウォーカーの旅立ちを描いた作品。

幼くして母の元を離れる少年の揺れる感情を描くばかりでなく、クワイ=ガンとオビ=ワンの師弟愛、決断力を問われる女王アミダラなど、多くの人物の内面が描かれています。また、アナキン少年が出場する「ポッドレース」など、最新デジタル・イフェクツの真骨頂も堪能できます。本作品では初めて全盛期のジェダイによる殺陣が披露され、旧3部作から明らかにレベルアップしたアクションが多くの観客を魅了しました。反面、旧3部作に熱狂していた世代のファンの中には、拒否反応を示した人が少なからずいました。いずれにせよ、「第1話」としてはこれ以上ないと言えるほどの完成度を持つ作品になっていることは確かです。

 

遠い昔、遙か彼方の銀河系で…。

何万年にもわたって宇宙の平和を維持してきた銀河共和国は、危機を迎えつつあった。惑星間貿易の関税問題を発端に、強欲な「通商連合(トレード・フェデレーション)」は、惑星ナブーを無数の戦艦で包囲。全ての輸出入を阻止してしまった。事態を重くみた共和国議長は、クワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)とオビ=ワン・ケノービ(ユワン・マクレガー)の二人のジェダイ騎士を、秘密裏に通商連合側へ派遣。交渉で事態を収束させようと試みる。

ところが、連合を影で操る、シスの暗黒卿ダース・シディアスは、二人のジェダイの抹殺を命じるのだった。難を逃れ、ナブーに降り立った二人は、原住種族グンガンのジャー・ジャー・ビンクス(アーメド・ベスト)の力も借り、ナブーの女王アミダラ(ナタリー・ポートマン)を救出。共和国議会に陳情するため、共和国首都、惑星コルサントへ向かうことに。しかしその途中、ナブーを包囲する連合軍の集中砲火を浴び、宇宙艇は破損。一行は、修理のため、辺境の惑星タトゥイーンに降りることを余儀なくされる。

タトゥイーンで、クワイ=ガンらは、不思議な少年アナキン・スカイウォーカー(ジェイク・ロイド)に出会う。ジェダイ騎士の力の源である「フォース」が強く感じられるこの少年。若きオビ=ワンらが懸念を示す中、クワイ=ガンは、アナキンをジェダイ騎士として育てる決心をする。アナキンこそ、予言にある「フォースに調和をもたらす者」だと信じて…。

しかし、そんな一行の後を、ダース・シディアスの弟子、ダース・モール(レイ・パーク)が追う。そして、銀河首都コルサントでは、ナブーと通商連合の紛争を利用し、政権の座を虎視眈々と狙う者がいた…。

 
  STAR WARS - EPISODE II: ATTACK OF THE CLONES
【第2話 クローンの攻撃】(2002年公開)

前作『ファントム・メナス』の10年後を描いた第2話は、共和国が帝国に移行していくきっかけでもある「クローン戦争」に関わるエピソードが描かれる予定です。ルーカスによれば全エピソード中、最も暗く悲劇的なストーリーになり、また本格的な「ラブス

 
 
  STAR WARS - EPISODE III
【第3話 サブタイトル未定】(2005年公開予定)

『エピソード2』の2〜3年後を描くといわれている第3話は、いよいよ共和国が崩壊して帝国が形成されることになります。アミダラはアナキンの子供を身ごもっており、アナキンはダークサイドに転落してしまいます。新3部作における全ての謎がこの作品で解明されるばかりでなく、スター・ウォーズ・サーガの最後の作品となるため、旧3部作の位置づけががらりと変ってしまう仕掛けが用意されているはずです。

 
 
  STAR WARS
【第4話 新たなる希望】(1977年公開)

1977年公開の、記念すべきシリーズ1作目。アカデミー賞7部門を受賞し、戦後最大の興行収入と観客動員数(観客動員数の記録は、未だに破られていない)を記録するなど、社会現象と化しました。この作品の登場で、死にかけていた米国映画産業は、新たな黄金時代へと突入していきます。

やはりシリーズ第1作(この作品が最初に製作された)ということもあって、本作品は最もシンプルな構成で、それが故に最も単純明快に楽しめる作品となっています。この作品以外は全て(恐らく残る2本も)複数のフィールドで展開する複雑なクライマックスが設定されていますが、この第4話は「デス・スターの破壊」というただ1つの目的が物語のクライマックスとなっていて、当然ながら観客もそれに集中しカタルシスを得ることができる構成になっています。このシンプルなお話を徹底的に細部にこだわって映像化しているため、20年以上経った今でも色褪せることのない魅力を持ち続けています。

また、派手な演出とは裏腹に、自分の殻を突き破って新たな世界へと旅立つルークの心理描写など、普遍的なテーマを扱い、多くの人の共感を呼んびました。このテーマは、エピソード1でも繰り返し用いられています。

ジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」の構想を持ったのは1973年頃のことで、丁度彼の劇場映画第2作である『アメリカン・グラフィティ』が完成したころになります。次回作はかねてから宇宙活劇ものにしたいと考えていたルーカスは、連続娯楽活劇の古典『フラッシュゴードン』の映画化を企画しました。しかし、『フラッシュ・ゴードン』の映画化権は高くて手に入らないため、ルーカスはオリジナルのストーリーを考えなければなりませんでした。

そこで13ページからなるあらすじを書いて、ユニバーサル映画に持ち込みました。しかし当時の責任者は興味を示さず、続いて話を持っていったユナイトもダメでした(各担当者は後に責任をとらされて左遷されましたが)。そこへ、ルーカスのデビュー作『THX-1138』を観て彼の才能に目をつけ、続く『アメリカン・グラフィティ』も公 開前に極秘で観賞していた20世紀FOXの社長、アラン・ラッド・ジュニアから「次回作の企画があるなら話しをしたい」という連絡が入り、ルーカスはアラン・ラッド・ジュニアに会いに行きます。

ラッドはルーカスが書いたあらすじは「ちんぷんかんぷん」だと思いましたが、彼の才能を信じて企画を買い上げます。その後、ルーカスは3年をかけて脚本を書き続けます。その間にストーリーはどんどん長大なものになっていき、とても1本の映画では描ききれない量になりました。そこでルーカスは物語の前半を「過去に起きたこと」として物語の背景に押しやり、最も展開が多く娯楽性の高いパートを1つのエピソードとしてまとめあげました。それが『スターウォーズ』(後に『エピソード4:新たなる希望』というサブタイトルが付けられた)になったわけです。

時は内戦のさなか。深宇宙を宇宙艇が疾走し、轟音と共に、それを大型攻撃艇が追撃する…。

銀河帝国の圧政に敢然と立ち向かう反乱同盟軍。その指導者、レイア・オーガナ姫(キャリー・フィッシャー)は、帝国軍の宇宙要塞「デス・スター」の設計図を携え、故郷の惑星オルデランへ逃げる途中、帝国軍に捕まってしまう。惑星をも破壊する能力を備えたデス・スターが存在する限り、20年前に滅んだ「銀河共和国」の再興を目指す反乱軍に、未来はない。

レイアは捕まる直前、ドロイドR2-D2にデス・スターの設計図を託す。R2-D2は、相棒のC-3POと共に惑星タトゥイーンへ脱出。その任務は、かつてジェダイ騎士として名を馳せた、オビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)に、設計図を届けることであった。偶然二体のドロイドを手に入れた、農場の青年ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)は、老騎士オビ=ワン、そして酒場で知り合った密輸業者ハン・ソロ(ハリソン・フォード)らの協力を得て、デス・スターの設計図をオルデランに届けるべく、故郷を後にする。

かつてジェダイ騎士だった父の幻影を追いながら…。ところが、彼らもデス・スター内部に捕らえられてしまう。無謀とも思える作戦を遂行し、ルークらはレイアを救い、デス・スターから脱出することに成功。しかしその過程で、オビ=ワンは、かつての弟子ダース・ヴェイダーとの対決の末、命を落としてしまう。

デス・スターの設計図を入手した反乱軍は、ただちに、その唯一の弱点を攻撃する宇宙戦を開始。そこには、不思議な力「フォース」に開眼し始めていたルークの姿もあった。次から次へと仲間が撃ち落とされていく中、ルークの操縦するXウィング戦闘機は、デス・スターの攻撃目標へと迫る。その背後には、父とオビ=ワンの仇、ダース・ヴェイダーのTIE戦闘機が…。

 
  STAR WARS: THE EMPIRE STRIKES BACK
【第5話 帝国の逆襲 】(1980年公開)

前作『スター・ウォーズ』が超ヒットしたため、続編の製作はすぐに始められました。

1980年に公開されたこの『帝国の逆襲』は、「続編はあたらない」というジンクスをうち破り、映画史に存在する数ある「二作目」のうち、最高の観客動員数を打ち出しました。また、初めて映画の冒頭でエピソード番号が表示され、単なる「続編」ではないことを示しました。

ルーカスは監督業を降りプロデューサーとして全体を統括し、演出はアーヴィン・カーシュナーが担当することになりました。公開当時は前作と異なり、より深みを増したキャラクターや演出が高く評価されましたが、物語の途中で映画が終わってしまうという展開に多くの人が不満の声をあげていました。

この作品が「シリーズ最高作だ!」という高い評価を得るのは『ジェダイの復讐』が公開された後になってからです。この作品ではランド・カルリジアン男爵やボバ・フェットらが初めて登場し、中でもボバは当時から高い人気を誇っていました。

また、映画のクライマックスで明かされる衝撃の場面(今ではお馴染ですが)は、その後、数多くのパロディを生む名セリフとなりました。コントラストが明確な色調や、よりドラマチックになった音楽と展開はさすがに味わい深いものがあり、本作品はシリーズ中、最も通ウケする作品です。

反乱同盟軍の苦難の日々は続いていた…。

デス・スターの破壊に成功したものの、反乱軍は秘密基地からの撤退を余儀なくされる。ダース・ヴェイダー率いる帝国軍宇宙艦隊から逃れるルークらは、氷の惑星ホスに新たな基地を建設、次なる攻撃に備えていた。

しかし、ついにその所在も帝国軍にばれてしまう。壮絶な地上戦の末、反乱軍は敗走。ルークは、ジェダイ騎士の修行を積むべく、大騎士ヨーダが住むという惑星ダゴバへ向かう。一方、ホスを間一髪で逃れたハンとレイアらは、帝国軍宇宙艦隊の執拗な追撃を受ける。ルークをフォースの暗黒面(ダーク・サイド)に引き入れようと目論むダース・ヴェイダーは、彼らを捕らえ、ルークをおびき寄せる囮にしようというのだ。

レイアらは、ハンの旧友、ランド・カルリジアン男爵(ビリー・ディー・ウィリアムズが統治する「クラウド・シティ」へ逃れ、ランドの庇護を受けることに。しかし、そこにも帝国の追撃の手が…。お互いの愛を確認し合ったハンとレイアだったが、ハンはカーボナイト冷凍され、賞金稼ぎの手により、惑星タトゥイーンのギャング、ジャバ・ザ・ハットの元へ連れ去られてしまう。

必死に止めるヨーダの言葉も空しく、ルークは修行半ばにしてダゴバを離れ、仲間を助けるべく、クラウド・シティへ。そこで初めてヴェイダーとライトセイバーを交えたルークは、驚くべき事実を告げられることに…。

 
  STAR WARS: RETURN OF THE JEDI
【第6話 ジェダイの復讐 】(1983年公開)
 

アナキンとルーク、二代にわたったスカイウォーカー家の物語の完結編である本作品は、1983年公開のシリーズ3作目。とにかく前作『帝国の逆襲』から3年間も待たされた上で公開されたこの作品は、当時「映画史上、最も公開が待ち望まれた作品」として世界中で大フィーバーを巻き起こしました。

「イウォークが可愛すぎる」など、些末(?)な批判を数多く浴びながらも、人間の心の葛藤と、贖罪の可能性を描いた作品として評価は高く、当時最高のスペシャル・イフェクツを駆使しながらも、「本能と理性」など、人間くさいテーマを数多く内包していることで知られています。イウォークはルーカスが持つ「ローテクがハイテクを打ち負かす」というベトナム戦争から強く影響を受けた思想から設定されたもので、同様の展開で『地獄の黙示録』の映画化を望んでいたルーカスにとってはごく自然な発想で作られました。

前作『帝国の逆襲』が比較的暗めでドラマ色が強い演出だったのに対し、この『ジェダイの復讐』はとにかく明るく、時にはコメディチックな展開もみることができます。オプチカルによる合成で特撮場面が作られたのはこの作品が最後になります。この作品からプロデューサーがこれまでのゲイリー・カーツからハワード・カザンジャンに変り、監督もイギリス人であるリチャード・マーカンドが担当することになりました。

ルークが故郷を捨ててから早四年。彼は再びその地に帰還していた…。

連れ去られたハンを助けるべく、ルークとレイアらは、惑星タトゥイーンにあるジャバ・ザ・ハットの宮殿に潜入。一団の激しい抵抗にあうものの、ジェダイ騎士の修行を積んだルークにとって、ギャングなど敵ではなかった。

その頃、反乱同盟軍を一気に叩き潰そうと、帝国軍は新たなデス・スターを、緑の惑星エンドアの軌道上に建設中だった。建設の指揮を、銀河皇帝パルパティーンが自ら執っていることを知った反乱軍は、この千載一遇のチャンスを逃すまいと、第2デス・スター破壊作戦を開始する。エンドアの原住種族「イウォーク」を仲間にした反乱軍は、建設中のデス・スターを守る、シールド発生装置を破壊するため、エンドアの森深く進入。一方、ダース・ヴェイダーに善の心が残っていることを察知したルークは、彼を助けるべく、皇帝の待つデス・スターへと向かう。反乱同盟軍が、皇帝の用意した罠にはまりつつあることを知らずに…。

果たして、ルークはヴェイダーを救うことができるのか?ハンとレイアの恋は?ヨーダの言葉、「もう一人のスカイウォーカー」の意味は?そして、36年前の予言通り、フォースに調和はもたらされるのか?全ての謎が明らかにされる。